ザ50回転ズ インタビュー [Brand-new Artist]

ガレージからパンクロックまで、脈々と流れるロックンロール道を継承する愉快痛快な3人組ロック・バンド、ザ50回転ズ。
'04年のバンド結成からわずか2年でホームグラウンドの関西から東京、ニューヨーク、オーストラリアへと、その活動範囲を急速に広げつつある彼ら。
1月にデビュー・アルバム『50回転ズのギャー!!』を発表して以降、今夏のフジロックでルーキーステージをオーディエンスで埋め尽くしたほか、エンターテインメント性の高いライヴで評価を高めてきたが、そんな好調な2006年を締め括るべく新作ミニ・アルバム『1・2・3・4!!』 を完成。“ポップ・パンク”ではなく、“ポップなパンク”を打ち出したと語る、この作品に込められた彼らのこだわりどころを訊いた。
■ やっぱ、エンターテインメントっすからね、音楽は(DANNY)

So-netMusic(以下So-net) :このバンドは結成が'04年ということですけど、 それ以前は別々にバンドをやってたんですか?

DANNY:そうですね。俺は田舎が徳島で、大阪から出てきてから、張り紙して、こいつらと出会って。その張り紙には「ブルー・ハーツやりましょう」って書いたんですけどね。それは'02年の話で、それからの2年で充電して、 '04年からザ50回転ズとして、バーッとディスチャージ(“放電”の意:UKの ハードコア・パンク・バンドの名前でもある)を始めたっていう。

DORY:俺たちがおったところって、小難しい音楽が好きなやつばっかりやって、そういうストレートな張り紙がなかったんです。だから、俺ら2人には目立ちましたね。

DANNY:やっぱ、エンターテインメントっすからね、音楽は。あんまね、音楽が芸術の域に行ってしまうと、エンターテインメント性がなくなってくるじゃないですか。俺らの周りには芸術にも、エンターテインメントにもなってない中途半端な音楽ばっかりやったんで、面白くはなかったですね。


So-net:じゃあ、バンドをやるにあたってはロックンロールのエンターテインメント性を追求したかったわけですね?

DANNY:そうですね。高校生みたいな感じで、ブルーハーツの曲をやっとったんですけど、ブルーハーツの曲って色々あるじゃないですか? ど真ん中一直線のパンク・ナンバーとマーシーが書くブルースっぽいロックンロール、あと、フォークっぽいバラードって感じで、パターンが幾つかあって。そういったものをやりつつ、同じ時期にラモーンズも聴き込んで、そこから幅が広がりましたね。だって、ブルー・ハーツを聴いてる時はそれしか聴いてませんでしたから、NYのパンク・バンド、ラモーンズを聴くようになって、世界がより広くなって。そういう要素をごちゃまぜにやりたいなっていうところで、このバンドを 始めたんです。


■ お笑い芸人のように笑わせたいわけじゃない(DORY)

So-net:ただ、ある雑誌で「ガレージ・パンクを演奏するお笑い芸人」って書かれて、激怒したんですよね?(笑)

DANNY:激怒しましたね(笑)。そのライターさんのエンターテインメント違いなんですよ。まぁ、感じ方は人それぞれやから、いいんですけど、俺らはそれをやりたいわけじゃ全然なくて。

DORY:芸人のように笑わせたいわけじゃないっていう。「髪型、面白いですねぇ」とか言われるんですけど、こっちはカッコイイつもりでやってますからね。


So-net:音楽で楽しませるっていう意味でのエンターテインメントであっても、笑わせるっていう意味でのエンターテインメントではない、と。

DANNY:そうですね。それが最初から一番大事やったな、と。


So-net:そして、今年1月にサンフランシスコで録音したアルバム『50回転ズのギャー!!』でデビューしたわけですけど、今、振り返っていかがですか?

DANNY:ファーストに関しては、曲を練る作業はライヴでやってきたし、ただ、ある曲をぶち込んだだけなんで、ダーンとやって終了で、大体、1日4時間の作業で1週間くらい。

BOGIE:そのうち、1日は休みやったよ。
DANNY:そうだ。あのね、「スタジオの下の塗装工場が今日は工事でうるさいから、今日はレコーディング出来ないと思うよ。だから休み~」って言われて(笑)。「待て待て待て! こっちは日本から来てるのに、急やなぁ」って。 で、今回のレコーディングに関しては5曲の録りに10時間で、うち1曲はトム・ ウェイツの曲だったんですけど、許可が下りなくて、ボツになって。まぁ、トム・ウェイツが死んで50年経ったら、ようやく出せるかな、と(笑)。その間に法律を変えてもらわなきゃ、俺も生きてないかもしれないですけど。なーんてね(笑)。

   
■ ポップなパンクであって、メロコアじゃない(DANNY)

So-net:今、話題が出た新しいミニ・アルバム『1・2・3・4!!』ですが、これは3人が大きな影響を受けたラモーンズ賛歌と言える1枚なんですよね?

DANNY:客観的はそう見えるかもしれないですけど、「Mr.1234Man」がディー・ディー・ラモーンに捧げた曲で、「Thank you for RAMONES」がラモーンズに捧げた曲なのは間違いないですけど、1枚全体のイメージはちょっと違って、トータルではポップなパンクが作りたかったんです。前回のアルバムが五目飯みたいな感じだったんで、今回は一本筋が通ったものを、ね。BOGIEくん、そうなった経緯を話してくれ。

BOGIE:僕らの間で、流行があって。今年3月にオーストラリア・ツアーをやったんですけど、向こうに在住の日本人バンドでマッハ・ペリカンっていうバンドとずっと一緒にいたんです。で、また、その人らが格好いいポップなパンクをやりはるんですけど、その人らの家に泊めてもらった時、色んなレコードを聴かせてもらって、ポップなパンクの流行が訪れたんですね。


So-net:ただ、恐らく、3人が考えるポップなパンクと世の中が考えるポップ・パンクは少々意味が違うと思うんですけど。

DANNY:そう、僕たちはそれが非常に恐ろしい! メロコアじゃないんですね。ポップなパンクであって……

DORY:ポップ・パンクじゃないんですよ。「な」が重要(笑)。

DANNY:すごい重要ですよ。

DORY:音はガツッと尖っておきたいですからね、ゴリッと。

DANNY:今回、特にギターの音が大分変わったと思うんですけど、ギターの音をかなり中域に寄せて、でも、広がりのある感じ。前回は高域がジョリーンって感じで、耳が痛かったんで、今回は耳に優しいクラシカルな感じになってますね。。


So-net:ラモーンズは、3人にとってどういうバンドなんですか?

DANNY:俺にとっては、バンドとして、指針にはなっているんですけど、神様のように崇めてるわけでもなく、数あるフェイヴァリット・バンドの一つで、そのラモーンズの側面を出してみたのが今回の2曲で。

BOGIE:僕は高1で初めて聴いた時、音が丸かったから、「え?? これがワーワー言われてるバンドなの?」って思ったんですよ。でも、ライヴ映像を観たら、ぐっと来て。

DORY:影響はやっぱり受けてるなとは思いますけどね。俺たちが言うエンターテインメントっていうのは、結構、ラモーンズから学んだものでもあったりして。服装が揃ってたり、カウントから曲が始まったり、そのカウントが曲に合ってなかったり、エンターテインメントじゃないですか。で、しかも、彼らは真剣なんですよね。エンターテインメントって、バンドが真剣にやらないと、そういうものにはならないんですよ。そういうところはすごい影響を受けてますね。


■ ユーラシアと南米……どこでやるにせよ、ええライヴをやりたい(BOGIE)

So-net:ラモーンズはポップでシンプルなパンクをやってますけど、実は60年代のガールズ・ポップスの影響が大きかったりするじゃないですか。それはザ50回転ズも同じで、シンプルなことをやりつつ、バックグラウンドにはガレージやパンク、はたまた日本のロックと、色んな音楽からの影響がありそうですね??

DANNY:と思います! このバンドを知ったら、その向こうにいるバンドが見えてきたりするじゃないですか。だから、年取るごとに幅が広がるなぁとは思います。こないだ、神戸でLaughin' Noseと一緒にライヴやったんですけど、これが素晴らしかった! めっちゃめっちゃすごかった! だから、ジャパニーズ・パンクもこれから探り入れようかな、と


So-net:さて、2006年をこのミニ・アルバム『1・2・3・4!!』で締めくくるわけですが、2007年の目標は?

DANNY:俺はですね、世界に羽ばたき、5大陸制覇を一つ目標にしてまして。北米とオーストラリアに行ったんで、ユーラシア、南米あたりに行きたいな、と。これ、冗談じゃないですよ。言葉が分からん連中の前でもいっぱいやりたいですね。

DORY:そうですね。ライヴの本数も今決まってるだけでも相当多いんですけど、地方に行ったら、初めて観る人も多いはずで。でも、そこで気合い入れんかったら、バンドとしてダメっすからね。だから、超本気でライヴやりたいですね。

BOGIE:ユーラシアと南米ですか? どこでやるにしても、ええライヴをやりたいですね。自分たちが納得出来るやつを。だから、ライヴを楽しみたいですね。

●Text/小野田 雄

ザ50回転ズ(ザ ゴジュッカイテンズ)

2004年に富田林の「大阪ロックンロール少年院」に収容されていた、写真左から:BOGIE(Drums, Vocal)、DANNY(Guitar, Vocal)、DORY(Bass, Vocal)、の3人で結成。'06年1月にアルバム『50回転ズのギャー!!』でデビューを果たし、国内はもちろんのこと、ニューヨーク、オーストラリアでも精力的にライヴ活動を行っている。
■オフィシャルホームページ
http://www.50kaiten.com/
サイン入りポラを3名様に
応募はこちらから

『1・2・3・4!!』/ザ50回転ズ
(収録曲)
Mr.1234Man/海賊たちのララバイ ほか 全5曲
WPCL-10379/1,500円(税込)
2006.12.6 ON SALE
   

2006-12-08 10:24  nice!(1)  コメント(1) 
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アコ
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福田
『1・2・3・4!!』最高にかっこよくて短いCDでした!
DVD『クレイジーミッドナイト69』も買いました!
やっぱライブバンドやね。
by 福田 (2006-12-09 03:38) 

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